わたしの田植え ー 赤木美名子

 

 

4年目の田植えは雨天決行。
2足のわらじ-ズの宿命。

 

田植えが難しい山の変形した小さな田んぼ。
夫が歩行型田植え機で植えていく。
機械の取り回しで植えられなかった部分を
補植するのがわたしの仕事。

「人間が気持ちがいいと思う環境で
 稲を育てると、よりお米がおいしくなる」

という師匠の言葉。
たくさん収穫したい
ついつい欲張りそうになる気持ちを
押さえてくれる。

 

東京の通勤電車のように
過密になると稲が細くなり
病気も出やすく、虫害も増え、
結果収量も食味も見込めない。

稲作に向かう姿勢や環境作りが
稲に伝わるということを
3年間の米作りで学んできた。

 

お茶碗1杯にも満たない
1株3~4本を手で田んぼにさしていく。

4年目でも田植え機を操る
夫の技術力が上がらないおかげで

何百杯分かわからないくらい補植した。

 

もうひとつの仕事は
田植えのおやつ、こびる(小昼)の
朴の葉赤飯づくり。


前日に小豆を煮て、糯米を一晩煮汁の中へ。
田植え当日は早朝山へ朴の葉を採りに行き
赤飯を蒸して1枚1枚丁寧にふいた
朴の葉に包む。

 

朴の葉の濃い緑と
赤飯のコントラストが何とも芸術的。

朴の葉は白い花が咲く田植えの頃が
最も香りが高く、
ほんのり香る赤飯は
田植えのお祝いにふさわしい。

今では作る人も少なくなり、
たくさん作って配ると懐かしいと
たいそうよろこばれる。
伝え残したい、山の田植えの文化遺産に
勝手に認定。

 

稲作は自然と共に生きる伝統や
暮らしの知恵、
豊かな食文化までも
育んできた。

 

田植えが終わり、
余裕をもって植えた苗は気持ちよさげ。

「もう1杯おかわり」

補植担当のわたしはその一言が聞きたい。

 


「lineaとむすひ」web

 


▼アンサfromながい


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