作り手の醍醐味、使い手の矜持 ー 山田和寛


リニューアルしたGINZAの誌面

 

先日、GINZAという雑誌が
リニューアルされまして、

デザイナーとともに
誌面ががらっと変わりました。

 

中でも目をひいたのが
全面的に使われている書体。

かつて勤め人だったころに
ワタクシがデザインした

「たづがね角ゴシック」ではないですか。

 

雑誌の文字要素といえば、
特集タイトル、大見出し、小見出し、
リード、本文、キャプションなどの
雑多な階層があるので

賑やかにいろいろな書体を
使うことが多いですが、

新しいGINZAでは
見出しから本文までほぼたづがね。

新鮮でフラットな誌面になっていました。

 

たづがねはどういう書体かというと、
デジタルデバイスから印刷物、
公共サインまで

広域をカバーする普遍的な書体を目指して
設計しました。

ニュートラルさとか
透明感を売りにしていて、

雑誌の本文などにももってこい。
たまにこうして使われているのを見かけると
親としてハラハラ心配になりつつ、
活躍を祈り手を合わせます。

 

一方、自分がデザインする書籍の多くは
文字中心の読み物で、
たづがねはあまり向いていません。

縦組みで長文の場合、
やはり明朝体を使います。

 

書籍のカバーをデザインする場合でも
たづがねはニュートラルすぎて弱い……
と思うことがよくあり、
別の書体を選んだり。

 

かといってあまり演出過剰なものは
好きじゃないんです。

微妙に読む人の心をくすぐる、
居心地の良い、

装丁家としての書体を作ろうと
思い立ちました。

 

というわけで次回からは、
「(自分が)ほんとうに欲しい」
文字作りの話をしたいと思います。

 


「nipponia」web

 


▼アンサーfromながい


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