カモメの恩返し ー 金川カモメ

 

イラストレーターのカモメです。
このコラムも第4回となりました。
今回は私なりの「親孝行」について
書こうと思います。

 

絵を描く仕事をしている
と身内に話しているので、
しばしば母親から制作の依頼が来る。

 

制作依頼といってもノーギャラで、
資材などの経費はもちろんこちら持ち。

 

私の地元は「香嵐渓」という
紅葉が有名な景勝地のある、
愛知県豊田市の足助地区。
実家は江戸時代の古い街道が残っている
商店街の一角で日用雑貨店を経営している。

 

土産物店ではないのだが四ツ辻に面しており
場所柄店の前を観光客が多く通るので、
店の一部をお土産物コーナーにして
知り合いのおじいさんおばあさんが作った
竹細工や藁ぞうりなどの民芸品や
梅干しなどの食品、
どこかで探してきたそれ風なものを
並べて販売している。

 

先日母より連絡があり、
私がオリジナルで作っているグッズで
何かうちで販売できるものはないか
といわれたので、
イラストをあしらった缶バッヂと
ポストカードを送った。
私は送ったはいいもの、
明らかにターゲット層が違うので
売れないだろうなーと思っていた。

 

送ってすぐ母から連絡があり

「かわいい雑貨届きました。ありがとう。
店頭の目立つところに置いてるでね」

と嬉しそうな声で話していた。
その時はなんだかいいことを
したような気になって私もうれしかった。

 

半年後実家に帰ると、
私が送ったバッヂは直射日光により
日焼けしたまま、店頭に並べられていた。
退色しすぎてもう売り物にならない
その缶バッヂを見てなんだか悲しかった。
店の一番目立つところは
西日もよくあたる場所だった。

 

数か月前に、そんな母より
新たな仕事の依頼が来た。

 

今回は母親がどこかで見つけてきた、
紅葉の葉っぱが描かれた
漆絵のミニタペストリー(中国製)に合う
香嵐渓のラベルを貼って売りたいので、
それを作ってくれないかという依頼だった。

 

観光地の
「なんだか出所がわからないお土産物」
はこうして生まれる…という瞬間を
見た気がした。

 

母のオーダーは

「香嵐渓の文字と紅葉したもみじの
 葉っぱを入れて、かわいらしい感じで
 作って欲しい」 

とのこと。

 

すぐさま 

「私得意のモノクロドローイングの
 タッチなど無視だな…」

と察したが、快く引き受けた。

 

先日仕事が落ち着いたころに
サッと制作したもみじのイラストを
和紙のラベルに出力し、
すぐ使えるように個別に切り取って送ったら
とても喜んでくれた。
母親が集めて来た
いろんな雑貨に貼り付けて、
当店オリジナルグッズとして
販売するそうだ。

 

それからもたびたび母からの
おかしな依頼は続いている。
私はそれを嫌な顔一つせず
淡々とこなしていくのが、
私なりの親孝行の一つだと思っている。

 

金川カモメのブログ

 


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