二足のわらじ ー 大場 綾

 

わらじのマスコット二足分。
つけているとお金が
どんどん入ってくるという。

 

鼻緒の色のバリエーションがさまざまで、
選ぶのが楽しい
(と言いつつ似たような色を選んでいた)。
挟まっているのはあすなろの葉。

 

石川県は能登の輪島の朝市の、
屋台と屋台の隙間に磯釣りに使うような
ちいちゃい椅子を置いて、
ちいちゃいおばあちゃんが売っていた。
ひとつ100円。

 

売りながら作ってもいて

「最初は下手だったのよ~」

と言っていたから、
そんなに歴史があるわけでは
ないのかもしれない。

 

おばあちゃんがあんまりかわいいので
一緒に旅行していた友人が

「買ってあげて!」

ともう一人の友人と
私を呼びにきたのだった。

 

ほんとかわいい。

 

人類のかわいいの頂点は、
つやつやむちむちの赤ん坊ではなくて
歳を重ねて小さく縮んだ
おばあちゃんなのかも、
とこれまで旅した国々の家々の前に陣取って
永遠にしゃべり続けていた
おばあちゃんたちや、
ドラマ「やすらぎの郷」の
八千草薫を思い浮かべながら思った。

 

さて輪島の八千草薫は
私がわらじを二つ選んで手渡すと、
「はい三つ〜」と言って
素早く三つめを追加した。
おまけではないのは明らかだ。
両目がキラッと光ったかに見えた。
かわいいからといって、
たくましくないとは限らない。

 

世界中から観光客の集まる、
なんなら能登でも生き馬の目を抜く朝市で
しっかり商売をしているのだ。

 

そもそもこちらの倍近い年月を
生きてきた大先輩だ、
さすがーと感心しながら

「あ二つです二つ」

と私は言って200円を支払った。

 

上の写真はそれぞれ
編集者兼ライターのYと、
イラストレーターのKに送ってもらった。
二人に土産として手渡した翌日の夜になって

「ハッ!わらじ!!」

と気がついた次第。

 

三つ買えばよかったのに
と思わないでもない。
手元には残らなかったから
私の懐にお金がどんどん
転がり込んでくることもないだろう。
一方でコラムのネタが
転がり込んできてくれたので、
まあこれはこれでOK。
次に輪島に行ったら三つ目を買おう。

 

次回からのコラムは正しく比喩としての
わらじの話をしたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

 

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2017年07月21日 | Posted in 余談Lab, 2足のわらじーズ | | No Comments » 

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