定番について ー 金川カモメ

 

前回の「ひらめきのタネ」には、
流行について書いた。
今回は逆の「定番」について。

 

そもそも定番とは何か。

 

愛用の古い辞書(1973年刊行)を
引いてみた。
なんとその辞書には定番という語句が
載っていなかった。
これを機会に定番という言葉のことを
少し調べてみると、
もともとアパレル業界の専門用語で
一般に使われるようになったのは
90年代に入ってからとのこと。
そんなに古い言葉ではないことがわかった。

 

定番といえば私は長く着られる
ある程度質の良い定番品に、
古着などの個性的なアイテムを
合わせるのが好きだ。

 

秋に活躍するAPCの定番
ミリタリー風ジャケットなんて
気づけばもう20年近く(!)着ていて、
だいぶ傷んでいるので
そろそろ新しいものが欲しいと思っている。
定番もアップデートが必要だ。

 

そんな時本屋の棚で、ブルーの表紙の
小振りな1冊が目に留まった。
初めはカタログ通販の雑誌かなと手に取る。
内容を見て今私に必要なのはこれだと思い、
購入して帰った。

 

『Lala Begin』世界文化社刊。

 

男性誌のBeginを作っている編集部が
発行している女性誌で、
おそらく私たちミドル世代を
ターゲットにしている。

 

出版元のサイトによると

「女性誌特有の甘さを抑えた、
 本当に買って損しないものを
 楽しくマジメに伝える」

というのがコンセプト。

 

最近よく見かけるA4の女性誌を
無理やりミニサイズにしたものではなく、
元々B5ほどの大きさで作られている。
イメージと実用の間といった
形容がふさわしい、ちょうど良い熱量。

 

今の時代雑誌としてこのサイズ、
情報量がギリギリ受け入れられる
という印象を受けた。
気持ちの良いバランス感覚。

 

軽いノリな感じのテキストも
なんだか懐かしい。
ページをめくるたびに
購買意欲がむくむくと湧いてくる。

 

この号の記事では
様々な定番品アップデート例が
紹介されていた。

 

例えば、1990年代後半に
ブリティッシュロックのミュージシャン達が
愛用していたことで火がついた
adidasの定番スニーカー
「GAZELLE(ガッツレー)」は
デザインがリニューアルされて
人気が復活している。
最近は英語読みで「ガゼル」と言うことが
多いらしい。

 

グランジやパンクの流れで大流行した
ドクターマーチンは、毎年新作を
出し続けていることも知らなかった。

 

こちらも気になって調べてみると
Made in Englandの象徴であったあの靴は、
今ではほぼタイで生産しており
本国の英国よりもアジア圏で
人気があるのだそう。

 

そして、永遠の定番コンバースの
オールスターが軽量化されていたなんて
知らなかった。

 

オールスターは
10年に1度くらいのペースで流行に合わせて
微妙にシルエットが変わる。
10年ほど前にお気に入りの1足を
履きつぶしてから、みんな履いているから
私はいいかなと思っていたけど
また履きたくなった。

 

ビッグシルエットの洋服は
流行から定番になった。
今年はデニムジャケット
(Gジャンとはもう呼ばない)が
また流行るらしい。

 

ずっと変わらないと思っていたものが、
私の知らないところで変化を続けている。

 

「定番」って面白いんだなと
改めて感じた2018年春でした。

 

 


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