物の美しさを教えてくれる本 ー 中村克子

物の美しさを教えてくれる本
〜『古道具、その行き先 坂田和實の40年』 (渋谷区立松濤美術館)〜

 

 

この本は、2012年に
東京・渋谷区立松濤美術館にて開催された
「古道具坂田」店主・坂田和實さんの
展示の図録です。

 

展示では、
展示物に詳しいキャプションが
ついていませんでした。

 

観る人それぞれが自分の“モノサシ”で
物と対話してほしいという
坂田さんの考えがあったからです。

 

私自身、古道具について
詳しい訳ではありませんでしたが、
一体これは何だろうとワクワクした気持ちで
展示を観たことを憶えています。

 

なかでも「おじいちゃんの封筒」は
心惹かれる作品でした。

 

これは、大工の仕事をしていた
おじいちゃんが引退後、
80歳〜95歳まで家にあった紙を使って
朝から晩までひたすら
封筒を作り続けたというもの。

 

商品として売る訳でもなく、
誰かのために作ったものでもない、
ただひたすら作り続けていただけ。

 

正確に紙を張り合わせ、
同じサイズに仕上げた封筒から、
丁寧な手作業であったことが伺えます。

 

何の作為のない、無意識に作られたもの。

 

そこには人の心を動かす
何かがあるのかもしれません。

 

 

「青と夜ノ空」Web

 

 

 

2017年08月18日 | Posted in ひらめきのタネ | | No Comments » 

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