フィールド・レコーディング ー ヤマグチマコト

 

ジャンルを問わず、
デザインという仕事では
すべてをゼロから作るわけではなく、
素材集という市販品を加工して
使うことがあります。
もちろん音にもライブラリと呼ばれる
素材集があります。

 

ただし、
クオリティの高い有名なライブラリは
世界中で使われているので、
他社のゲームをプレイしていると

“あ、これ、あのライブラリの音かな?”

と、元ネタがわかってしまうことも。

 

使っていけないわけではないのですが、
モノ作りを生業にしている身としては
できることならオリジナルの素材で
勝負できたらいいな、とも思っています。

 

そこで録音機材を片手に出掛けて
素材を集める、
これを “ フィールド・レコーディング ”
といいます。

 

録音場所はさまざまで、
山の中や洞窟に行くこともあれば、
近所で虫や鳥の鳴き声を
狙うこともあります。

 

昨年末には東京湾に浮かぶ小島に渡り、
森の木々や波の音などを録音しました。

 

でも実はこういった
フィールド・レコーディングで
狙った素材が録音できる確率は低く、
大半はほかの音が混ざってしまい
純粋な素材として使えなかったりします。

 

「ここは静かだな」

と思って録音しても、
ヘッドフォン越しには
遠くの方で走っている車や
上空の飛行機の音などが
聞こえてくるのです。

 

ただこれは悪いことばかりではなく、
何気ない場所でもいろいろな音に
囲まれていることを再認識したり、
そのイメージを作る音に反映できたりと
音の実体験としては
貴重な機会になるのです。

 

何の変哲もない風景が
音によって
はっきりとした輪郭を現す……。

 

音の仕事をしていて、
大好きな瞬間の1つです。

 

それでもたまに思ったりします。

「今、このときだけは静かにしてくれ」

と……。

 

 


▼アンサーfromながい

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学習塾(zemi)、cafe&パン屋、仙台発のフリーペーパー発行の運営をしています。さまざまな側面から 「勉強」と「生活」を考え、 「てがかり」(clue)を発信しています。

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