本と文字と ー 山田和寛


仕事で作った本も資料もごちゃ混ぜな装丁家の書棚

 

15歳の頃、デザイン科のある高校で
デザインの勉強を始めました。
そこで最初に学んだのは、

「世の中のあらゆるものは
 人の手でデザインされている」

ということでした。

 

デザインとは何でしょうか。
日本語では「図案」などと
訳されることが多いですが、

多くの場合「設計」と言い換えると
しっくりきます。

 

この世界の人工物は
すべて人の手で設計されているという

考えてみれば当たり前のことが
中学を出たばかりの自分には
新鮮な学びでした。

 

時を経て22歳、
夜間の美大を出て最初に就いたのは

本のデザインをする事務所でした。
いわゆる「装丁」という仕事です。
またはブックデザインや
エディトリアル(編集)デザイン
などといいます。

 

コンピューターを使って、
テキストや画像をレイアウトしたり、
用紙や印刷、加工、製本などの
仕様を考えるのも
ブックデザイナーの仕事です。
本や雑誌のデザインを6年やりました。

 

さて、本のデザインに必須の素材が
「文字」です。

あなたが今読んでいるこの文字、
これも人の手によって設計されています。
本やコンピューターで使用される
文字のことを「活字」と言います。
別の言葉で言うと
「フォント」や「書体」です。

世の中にはこのフォントを
デザインしている人もいます。

書体デザイナーや
タイプデザイナーなどといいます。

 

本のデザインをしていた6年の間、
書体のデザインも勉強していました。
最初は文献などをあたって
独自に先人の真似事などをしていましたが、
プロのデザイナーが主宰している
私塾に通うようになり、

本格的に書体づくりにのめり込んでいき、
仕事でも使用するようになりました。

 

そしてブックデザインの
事務所を退職した後、

フォントの設計・販売会社に勤めました。
3年かけて一つの日本語フォントを完成させ
2017年の6月に独立しました。

 

いまは書籍のデザインと文字のデザイン、
二足のわらじを履いています。

 

このコラムでは近いようで遠い、
二つのデザインの
物語を
綴っていきたいと思います。

どうぞお付き合い下さいませ。

 

 


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