意味調べ ー 上間美絵

 

小学生の国語の時間、
新しいお話へすすむときに
毎度あった宿題 意味調べ。

 

最初は文字の大きい使いやすい辞書で
調べていたけれど
いつからか、広辞苑で宿題をすることに。

 

いつもより小さな文字、
情報量に圧倒されながら
集中できずに巻末で見つけたのは
「日本の色と重ね」という
色のついた付録ページ。

 

色えんぴつや絵の具の名前では
聞いたことのない色がずらりと並び
苦行の合間にみつけた
小さくも偉大なパラダイスでした。

 

色見本の並びの中、
鴇色(ときいろ)という色に
くぎ付けになりました。
ときの羽の内側のほんのりとした
柔らかい桃色です。

 

ピンクに苦手意識があり
青好きだった当時の私は
真っ白な鳥が内側にひめる柔和なピンクと
その名前にひかれ
意味調べが無くとも
広辞苑の巻末ページを開きました。
癖になる、というヤツです。

 

「はじめて」の瞬間は長く心身にのこり、
調べた言葉は全く覚えていませんが
鴇色で揺さぶられた気持ちは
時間がたってもあざやかに覚えています。

 

今でも素敵な色合わせを見たり、
絶妙なグラデーションの
夕焼け空をながめると
同じ気持ちがよみがえります。

 

目が覚めるような喜びの
真ん中みたいなその気持ち、
今は仕事で再現可能となりました。
この職にたどりつけてラッキーです。

 


「hokuri」web

 


▼アンサーfromながい


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