装丁家的書体づくり(2) ー 山田和寛

 

 

前回の続き。

 

具体的にどうすればフォントができるのか、
前回も触れた「NPG ヱナ」を例に
みていきます。

 

ヱナは活版印刷で使われていた活字を
ベースにした書体なので
古い雑誌などを買って資料を集めます。

 

50年代くらいのものだと、
印刷の状態の良い文字が見つけやすいので
ひらがなとカタカナ、
五十音を採字してきます。

 

だいたい揃ったらスキャナーで
画像化しておきます。
いつもは鉛筆でだいたいの
スケッチもしますが
今回はベースがあるのでしませんでした。

 

ここから「Glyphs」という
フォント制作アプリの出番です。

 

まずはスキャンした画像を配置して、
ざっくりトレースしていきます。
ここで注意するのは太さ(ウェイト)です。
ヱナは使いやすいように、
細いウェイトから太いウェイトまで、
10種類くらいの段階の
ファミリーにしようと計画していました。
なので最初はいちばん太い
ウェイトを想定して、
ベースのものよりも
かなり太めに描いていきました。
この時点で「トレース」ではなく、
肉の付き方を想像して
「デザイン」することになります。

 

続いて、いちばん細いウェイトを作ります。
細いウェイトは逆に骨格を想像して
デザインしていきます。
ヱナの場合、この二つのマスターとよばれる
ウェイトから、中間のウェイトは
アプリで自動的に生成することにして、
最終的に9種類のウェイトをもつ
ファミリーとしました。

 

そしてテストフォントを出力して、
AdobeのInDesignというレイアウトソフトで
テスト組版をしていきます。
気になるところはGlyphsに戻って修正して
またテスト組版して……
という繰り返しです。

こうして一つのフォントを
完成に近づけていきます。

 


「nipponia」web

 


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