中心のはなし ー はしもとみお

 

あなたを一本の木に例えると、
あなたの幹の中心には何があるでしょうか?

 

わたしは長い間、
自分の中心をよく知らずに、
ぼんやりと過ごしていました。

 

その中心にいきものたちがいる事に
気がついたのは、
ある体験がきっかけでした。

 

小さい頃から獣医師になろうと
夢を持っていた私が、
彫刻家への道に足を踏み入れたのは、
15歳の時。

 

阪神大震災という大きな地震にあい、
そのとき私自身もガラガラと崩れ落ち、
心は宙に浮いたような状態で
見えてきたのは、残された自分の中心の幹。
いきものたちへの強い思いだけでした。

 

目の前にこんなに美しいいきものたちが
地球にはあふれ、だけどそれはある日
突然消えてしまうかもしれない儚いもので、
命というのは生前のみ
形を持つのだという事に
気がついたのでした。

 

大きな天変地異で失ってしまった形には
もう二度と会えない。
この世界で一番の願いとは、
死者にもう一度会いたいという
叶わないものなんじゃないかと、
そのとき感じたのでした。

 

失った形に、もう一度会いたい。
大好きだったいきもの達の姿を
ずっと残したい、の思いから、
形のスペシャリスト、
彫刻家を目指す事になったのでした。

 

自分の中心は、中心を離れて
視点をずらす事で見えてきます。
また、芯をずらす視点は、
自分を救ってくれます。

 

客観視できるだけでなく、
悲しみの中心にいる自分から、
逃げることもできるのです。

 

大きな悲しみや困難の最中にいるときは、
自分の中心が見つかる絶好のチャンス。
自分から少し離れて逃げつつ、
他人になれるとしても
人に譲りたくないような、
自分にだけ打ち明けられる
ほんとうに大好きなものが、
きっといつでも中心に
待っていてくれるはずです。

 


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