翻訳事始 ー 檜垣裕美

 

翻訳に興味を持つようになったのは
英国の大学院でビルマ文学をはじめとして
比較文学を勉強していたときのことだった。

 

英国ではビルマ語の言語学の第一人者の
英国人の先生のもとで勉強した。
読書リストに載っている
おびただしい数の本を
読まなければならないなど
大学院での勉強は厳しいものだったが
余暇にはロンドンで
芝居、映画、アート、音楽など
おもしろいものに触れた。

 

英国でおもしろいものに触れるのにつれて
自分の国の文化でもおもしろいと思うものを
外国の人に伝えたいと思うようになった。
わたしが外国の人に伝えたいと思うもの、
それは本、とりわけ絵本だった。

 

おもしろいものを
みたり聞いたりするだけではなく
何らかのかたちで
自分もクリエイティブなことが
したかったと思うのだが、
それはわたしにとっては
文章を書いておもしろいものを
人に伝えることだったのだと思う。

 

大学院の勉強が終わり帰国した後、
出版翻訳の勉強をはじめたが、
そもそも出版翻訳ができる人の
絶対数が少ないうえに
よほどの売れっ子でもない限り
1年に何冊も本を翻訳して
世に出すことは難しく
それで食べていけるようになるのは
大変だということにすぐに気づいた。
そういうわけでまずは出版翻訳より
多くの翻訳者を必要とする実務翻訳の仕事が
できるようにしようと思い方向転換した。

 

まずは日本語⇔英語の
翻訳の勉強を
したのだが
初めての翻訳の仕事はビルマ語から
日本語へのものだった。
大学時代の友人から難民認定申請書の
翻訳をしないかと
お声掛けしてもらったのだ。
そのときはビルマ語から日本語の翻訳なんて
1度もやったことないし
できるかなとかなり不安だったが
やってみることにした。

 

次回はビルマ語の翻訳について
もう少しお話ししようと思う。

 


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