味わうはなし ー はしもとみお

 

芸術は理解するものではなく、
味わうものだと聞いたことがあります。
味わうとは、
なんと理想的な表現方法でしょうか。

 

思えば、この世界のいろんな物事も、
理解しなくても味わっておけばいいものは
たくさんあります。

 

味わうのであれば、
自分の感覚で判断すればいいのだし、
良くも悪くも、ただのそれぞれの好みです。

 

昔は言葉もなくヒトも動物だったので、
この世界を味わいながら
理解を相手にも求めすぎず、
おおらかに暮らしていたと予想されます。

 

しかし人間は、知を求める生き物。
言葉の発達や科学、数学の発達に伴い、
世界に対する理解を
非常に高めていきました。

 

理解することで納得できることは
たくさんあります。
知るということは、分かち合い共感できる
すばらしい手段でもあります。

 

知に対する熱意は、
ヒトに叡智や人間社会をもたらし、
複雑に絡み合いながらも人類に確かに
豊かな生活を与えてくれました。

 

だけどこの世界には、
理解できないものもたくさんあります。
自分の感情だって心変わりだって、
好きな音楽だって気に入った絵だって、
100パーセント理解できている人なんて
いるのでしょうか。
人付き合いだって、理解し合おう、
とおもわず、相手をぼんやり味わえたら、
もっともっと気楽に
進んでいくのかもしれません。

 

芸術は、ヒトを動物に
巻き戻してくれる存在です。
弱いものの味方であり、知のないところにも
分け隔てなく感動できるものです。
理解を求めて饒舌に説明するものではなく、
だれにでも味わってもらえる
野いちごのようにあるものなのです。

 

音楽も、美術も、手にとって気軽に
味わってみてください。
きっとお気に入りのスイーツのような
存在に出会えて、毎日の暮らしが
お気に入りの木の実をみつけた
小鳥のように、胸踊ることでしょう。

 


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