食の記憶から垣間見えること ー 増田拓史
これまで具体的に作品のことについて
お話ししてこなかったので
2回に分けて作品のことについて
触れたいとおもいます。
僕は人の記憶をテーマに
領域横断的に作品を制作してます。
その中でも近年、フォーカスしているのが
家庭料理の記憶です。
思い入れのあるお料理を
展覧会を行う各地でヒアリングや
再現調理を行っていただいています。
その時の内容を
取りまとめたストーリーやレシピ、
そして調理中のポートレイト写真を
作品として発表しています。
©︎HIROFUMI MASUDA
食の記憶から垣間見えることって、
実は多い。
ヒアリングを重ねていくと、
自然とその土地柄だったり、
数世紀単位での歴史が
浮かび上がってくるんです。
この手法だと、直接的に郷土性とか地域性を
リサーチすよりも
もっと自然に温もりのある物事を
知り得ることができるんですね。
家庭料理というのは、
普段何気なく食べていて、
よほどのことじゃないと
記憶になんて残らない。
だからこの作品シリーズを通して
その何気なく、儚い記憶を
レシピという形で記号化して
後世に伝えていこうという
試みでもあります。
©︎HIROFUMI MASUDA
次回は、実際の作品のストーリも加えつつ
もう少し具体的にお話しさせてください。
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