まとめる視点 ー はしもとみお

 

子供は、まとめる視点の天才だと思う。

 

ものごとの大いなる輪郭を
自分の理解できる範囲に捉えて、
物の見事につかんでいく。

 

子供よりもまとめる視点の天才は、
動物だと思う。

 

言葉すら持たないのに、
目や音や細やかな気配、匂いで、
私たちの感情まで
見事に大いなる輪郭で捉えていく。

 

この、まとめる視点は絵や彫刻の世界では、
いちばんの力でもあります。

 

いい絵や彫刻は、
100パーセント生絞りジュースみたいに、
ギュッとまとめられているのです。
つくり手の視点が、
すっきりと要約されていて、

「ここをみて!これを感じて!」

と伝えてくれる美術は、
見ていて心地いいことこの上ありません。

 

ではどうして、
大人になるとまとめる視点の力は
失われていくのでしょう。

 

きっと、自分の感覚の器に
入れることのできないほどの
膨大な知識を持ち歩いてしまい、
感性がその要約に追いつかないのかも。

 

私は、自分の知識が重たくて
身動きが不自由な時は、
いつもこの、まとめる視点を
大切にしています。
一冊の本を、一行くらいに、
まとめたりもします。

 

目に見える全ての風景を、
一色にまとめたりも、
毛むくじゃらな犬の何百万本もの毛並みも、
一刀でコチン、とつくりあげたり。
芸術って、あまり多くの言葉や説明の、
いらない世界のようにも思っています。

 

だけどまとめあげるときに、大切なのは、
自分の視点の判断力。

 

物事をみないようにするのではなく、
見た上知った上で、手のひらの中の
おにぎりくらいの大きさに、
ギュッと大切なことをまとめられる力は、
子供の無邪気さとは違う、大人の表現力。

 

子供のままいるのではなく、
知識をすっきり収納した
大人になりたいですね。

 


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