人前で苦手な歌を歌いダンスを踊る、トンデモ修行時代 ─ 山田はるか

初舞台。AD時代に担当していた番組の
子役家族が観に来てくれたときの写真

 

今回は、わたしが初めて
人形劇団の門を叩いた時の出来事を

お話ししたいと思います。

 

「入団前に、面接、
 そしてセリフと歌の実技審査があります」

 

人形劇団の門を叩き、
スタッフの方からこの言葉を聞いた瞬間、
私は凍りつきました。

 

セリフの実技審査があることは
ともかくとして、歌。

歌 ⁈
だって私は、
歌が大の苦手だったのですから!(笑)

 

仕方なく面接官の前で
ド下手な歌を歌い終え、

面接会場を後にしながら、

「これは確実に落ちた。
 もう私はチェコへ人形劇を学びに
    留学しよう」

なんてことを考えていたのですが…、
数日後、自宅へ『合格』の2文字が
書かれた通知が届きます。

 

「台に隠れて人形を動かすのが
 人形劇団なのに

 どうして歌の審査があったのだろう…?」

 

その謎の答えは、
入団初日に明らかになりました。

 

私が入ったその劇団は
「出遣い」(でづかい)といって、
動かす人形操演師自身も
ちゃんとメイクをし、

衣裳を着て、
人形を動かしながらセリフを言い、
歌も歌い、
さらにはダンスもする(!)という
劇団だったのです。

 

ずっと裏方仕事を夢見てきた自分が、
舞台に上がり人前で歌いそして踊るなんて
そんなこと到底できるはずがない。
私はとんでもないところに来てしまった。

 

私はただ大好きな人形を
動かしたいだけなのに、

苦手なことばかり「やらされている」。

 

このままここにいて、
本当に私の夢は叶うのだろうか…。

 

そんなふうに思いながら、
私は不安に押しつぶされそうに
なっていました。

 

話は次回に続きます。

 


NHK「新・ざわざわ森のがんこちゃん」web

 


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