個人の活動が現代アートの世界を動かす!/「ハーブ&ドロシー」 ー 中村克子
映画は「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」
「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」の
2作品がある。
学び”がテーマと聞いて、
まず思い浮かんだのがドキュメンタリー映画
「ハーブ&ドロシー」。
なぜかというと、好きで行っていた
個人レベルの活動が世の中に広まり、
大きな流れとなったからだ。
ニューヨーク在住の老夫婦
ハーブとドロシーは
現代アートのコレクター。
特別、お金持ちというわけではなく、
1DKのアパートに暮らす一般庶民。
自分たちの給料で買える作品であること、
そして1DKの部屋のスペースに
収まるサイズであること、
という2つのルールで
好きな作品を集めていた。
約30年間、コツコツと集めた
膨大なコレクションは一点も売ることなく、
アメリカ国立美術館に寄贈することになる。
さらに、国立美術館で
収蔵できなかった作品は、
アメリカ50州の美術館に
それぞれ50作品を贈るという
計画を実行した。
二人の活動が多くの人の心をとらえたのは、
損得を考えずに現代アートに
真摯に向き合ったからだ。
「ハーブ&ドロシー」は
個人レベルでできることは
限られているのではなく、
無限の可能性があることを
教えてくれた映画だ。
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