新米の時期だけ主役級 ー 赤木美名子

 

1993年冷害でタイ米騒ぎの時は
学生で台所の主は母だった。

 

食卓に上がった長いインディカ米の衝撃は
忘れられない。

その時初めて日本のお米を
意識したように思う。

 

東京にいた20代の頃は食費が惜しくて
激安の殿堂ドンキでお米を買っていたのに
長い時を経て文化継承としての稲作に憧れ
新潟の棚田が舞台の米農家に華麗に転身。

農家でなくてもたわわに実る稲穂を見ると
豊かな気持ちになり、

その年初めて食べる新米を目の前にすると
手を合わせずにはいられない。

収穫に感謝していただく新米は特別な存在。
日本人特有の美しい感性が
大きく関係しているのだろう。

 

この夏は雨に恵まれず
天水頼みの2枚の田の稲は
厳しい状況を察してか
例年より早く花をつけ、
子孫を残したいという強い意志を
見せつけてくれた。

お米は種なのだ。

 

渇水田の稲は天日干しの労力を注ぐほどの
品質でないと諦め
コンバインで稲刈り、
機械乾燥に。
天日干しと機械乾燥のお米を比べてみると
色、粒の大きさ、炊き上がりの香りも
食味も違う。

 

向かって右が天日干し、左が機械乾燥

 

野菜や果物のように見た目や香りで
美味しさを伝えられない地味なお米。
主役級の扱いは新米の時期のみ。
産地や品種、栽培方法の違いから
お米は実に個性派揃いなのに。

 

天候不順で収穫まで稲にかかりきり、
稲作の考え方の違いで夫婦喧嘩頻発。
効率や収量は二の次で
米づくりの労苦をやりがいと信じ
美味しいお米を食べたいという欲だけで
5か月半。

今年は厳しかった。

 

 

結果、機械乾燥のお米は無条件で自家用。
天日干しはお客さまに。

 

悲しいかな、農家の宿命。

 

新米「むすひ」を購入してくれた
「2足のわらじーズ」編集長から届いた1枚を拝借

 

 


「lineaとむすひ」web

 


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