どれほどの時間 ー はしもとみお

 

よく、

「一体作るのにどれくらいの時間が
    かかるのですか?」

と聞かれます。

 

もう何百回も聞かれた質問ですが、
未だにうまく答えがみつかりません。
ものづくりしている人間にとって、
一番答えにくい質問かとも思います。

 

だから私はつくりてにかかった時間は
聞いたことがありません。
早かろうが遅かろうが、
そのものの価値になんら変わりはない、
あまり意味のない質問だからです。

 

ものをつくるのは
手を動かしている時間だけではありません。
着想する時間、取材する時間、
考える時間、考えないで間をおく時間、
あげるときりがないほど、膨大な時間、
ものづくりと向き合っていて、
それらは同時進行し、眠っている間以外
すべてあらゆるものづくりは
進行しています。

 

そして、手を動かさない時間のほうが
もしかしたら、ものづくりには
必要なのかもしれません。

 

味噌が1年かけて
発酵しておいしくなるように、
目にはみえない他人にはわからないけれど、
内側で自分が変化していることは
多々あります。

 

くすぶっているように見えて、
それも大事な時間のうち、
芽がでないように見えても、
種の内側では発芽の機をうかがっている。

 

そんなふうに、いいものづくりには、
発酵させる時間が
たいせつなように思います。

だから、何年かかったって、
できあがればそれでいいのです。

 

こどもたちも、青年たちも、
内側でむくむくと、目には見えない
変化があって自分のなかの小さな種を
体の中で育てているのかもしれません。

 

太陽の下でいつか芽が出せるよう、
いつか降る雨に備えて
種を失くさないように、

どれほどの時間がかかったとしても、
見守って応援したい。
それは必要な時間であると
私は確信しています。

 


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