翻訳コーディネーターとは何ぞや ー 檜垣裕美

 

「翻訳コーディネーターとは
   どういう仕事ですか?」

とよく聞かれる。

 

一言で言えば、
クライアントと翻訳者のあいだに立ち、
翻訳プロジェクトの管理をする仕事だ。

 

みなさんは

「顧客が本当に必要だったもの」

という風刺画をご存知だろうか。

 

もともとの顧客の説明を各工程の担当者が
少しずつズレた解釈をしていって、
それを次工程の担当者に
伝言ゲームのように伝えていくうちに、
最終的には顧客の説明とは
まったく違うものが
できあがってしまったことを風刺する絵だ。

 

驚きなのは顧客自身の説明
(木にぶら下げたブランコ)と
顧客が本当に必要なもの
(木にぶら下げたタイヤ)も
違っていたということだ。
翻訳コーディネーターの仕事をしていると、
この絵を思い出すことがある。

 

コーディネーターは顧客が
どんな翻訳を必要としているか、
きめ細かに確認して、
それを正確に翻訳者やチェッカーにも伝え、
上がってきた翻訳の最終チェックを
するだけではなく、
顧客の希望どおりになっているか確認し
希望に近づけるように最終的な調整をする。

 

英語のネイティブスピーカーが書くような
自然な英文が良いと言っていた顧客が、
実は原文に忠実な翻訳を
求めていたのだということが、
プロジェクトを進めていくうちに
わかってくることもけっこうよくある。

 

いままでの経験からすると、
自分の好みに合わせて表現の修正を
入れやすい原文に忠実な翻訳を
好む顧客が多いような気がする。

 

顧客、翻訳者、チェッカーと
協議・相談しながら協同で
プロジェクトを進めていき、
それをやり遂げたときには
達成感が感じられる仕事だとは思うが、
自分で翻訳をしたい人にとっては
少々物足りなさを感じる仕事かもしれない。

 


檜垣裕美Instagram

 


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