自由の味 ー はしもとみお

 

自由を味わうには、
秩序のスパイスを加える。

 

これは彫刻を作る上、
ものを作る上で
とても大切にしていることです。

 

自分の自由に好きなものを作ると
思われがちなこの仕事、

実は仕事として美術作家をすることも、
自分にとってひとつの秩序スパイスです。

 

まず第一に、自分が自立していけるだけの
お金を稼がなければならない。

そのためには自分の器を越えていく
仕事にも果敢に挑戦していきます。

 

得意分野以外の仕事にも挑戦するし、
何が何でも逃げ出したいような
商談やコンペに勝たなければならない時も
あります。

 

趣味で好きな美術をつづけられたら
どれほど楽だろう、
そんな人生をやり直したい気もして、
涙を流したことも数知れず、

社会に出て職業美術作家を続けることは、
私にとって最も過酷な秩序でもあります。

 

だけど無限にある多種多様な仕事の中で、
彫刻という石器時代から続いてきた
超アナログな仕事を選んで、

10年続けてきたある日、
仕事の中に小さな自由を見つけました。

 

ほんの少し、
好きにしていい部分のある仕事が
出てきたのです。

 

自由はまさに、
私が社会生活の中で無くしかけていた、
自分そのものでした。
自分の作りたいものと、
社会が求めてくれるものが、
繋がってきた瞬間です。

 

さまざまな秩序の中で出会った
この自由の味は、極上の幸せで、
生涯忘れることはないでしょう。

 

秩序は一時的に自分を制約し、
痛みや苦しみは少々ありますが、
その中で自分を表現し続けていけば
いつしか、秩序を自分を引き立てる
スパイスにできるように思う
今日この頃です。

 


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