木と餅 ー 土井サオリ
先日、会社の昼休みで
公園のベンチに座っていると、
「ガサガサーーー」っと
黒い影が木にくっついた。
隣で同僚が「きゃっ」という。
私はそっと「木」に近づく。
すると、興奮した黒猫が
枝を器用に飛び回っていた。
「降りれるかな〜」
と同僚の心配をよそに
猛スピードで駆け下り急に立ち止まると、
草むらでひなたぼっこをはじめた、
木登り猫。
なんだかさいきん
よく「木」に触れる。
木箱や棚の木材をオーダーしたり、
古家具を引取ったり
しているせいでもあるけど、
「木」を想う時間が増えたのは、
引っ越してきてからだ。
今の家は木造だし
ログハウスみたいで気に入っている。
家から2分ほど歩くと
「広隆寺」というお寺があり
1月2日に訪れた際、
建築の神と言われている
聖徳太子に一年の安全を祈願する年頭儀式、
『釿始め』(チョウナハジメ)
が行われていた。
<一連の流れ>
大きな御木を運ぶ
↓
寸法を測る
↓
印をつける
↓
釿を下ろす
↓
カンナで削る
儀式が終わると、
お供え用のお餅が配られた。
みんな必死にお餅へ向かっていく
私は、のんきに
「急いでないのでどうぞ〜」
と、様子を見ていたら
「これが最後のお餅ですよ」
と手の平に丸餅を置いてくれた。
後で知ったけど
100名限定のお餅だったようで
ギリギリセーフはなんだか嬉しい。
来年はわたしも
必死に取りにいくかも。(笑)
コメントを残す