2足のわらじが交わるとき ー 山田和寛

『まともがゆれる』(左)と『作字百景』(右)

 

僕は「装丁家」と「文字デザイン」という
二足のわらじというには近い業界の話で
しれっと連載陣に紛れ込んでいますが、
意外なことに、
装丁の仕事でタイトルを描いたりすることは
いままでまったくやってなかったのです。

 

どことなく「描き文字」という行為が
個人的な
創作活動、
作家活動という意識があり、

あくまでクライアントワークである
装丁業に
活かすにはちょっと自信が…と
二の足を踏んでいました。

 

ところが今年、
立て続けに描き文字を使った装丁が
出来上がったのです。

 

ひとつは『まともがゆれる』
(木ノ戸昌幸さん著、朝日出版社)、

もうひとつは『作字百景』(グラフィック社)
という二冊。

 

『まとゆれ』は “ 常識をやめる ” という
本のテーマに触発されて


「いっちょうやってみっか」

と一念発起、
珍妙な文字を描いてみたら
編集の方も著者も
気に入ってくださいました。

 

『作字百景』はその名の通り、
現代作字作家のレタリングや

描き文字を集めた作品集成。
この本の場合はデザインの依頼が来たときに

「描かなければいけない」という
使命感を感じ手を動かしました。

 

やればできました。

 

逆に言うと、意識を変えてやらなければ
できなかったと思うんですよね。

 

結果、文字を自在に
扱えるようになったことで

鳥かごから解放された鳥のような気分。
自分で自分の今後の仕事に
わくわくしています。

 

そんなわけで
このコラムも2年目に突入です。

まだまだよろしくお願いいたします。

 


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