春だってさ。ー 赤木美名子

 

ふるさと瀬戸内海では
今年も3月5日にいかなご漁が解禁。
尼崎に住む料理人の叔父から春の風物詩
いかなごの釘煮が送られてきた。
春だってさ。

 

 

上越吉川の蔵人の夫も
日本酒造りがひと段落ついて
我が家は今朝5か月半ぶりに納豆解禁。
春だってさ。

 

冬の間に師匠宅におじゃますると
好奇心旺盛さから本や書類が山積み。
種のカタログを見て春の畑を
デザインしたり、
大好きなサスペンスを観て過ごし、
呑む量も増えて少し太る。
雪がなければ冬野菜の栽培や
収穫に忙しくしてしまって
今ある食文化や生活様式も生まれなかった。

 

わたしもパターン関連の研修や
書籍に向かう時間が取れるので
ここは2足のわらじーズには
適した場所なのかも。

 

冬は深い雪で閉ざされるから
春から秋は土と共に暮らせることに
感謝できて、過酷な農作業も頑張れる。

 

ひと晩で美しい冬景色に変わる
新潟山暮らし。
移り住んですぐの初雪は
降り積もる雪が怖くて
声を出して泣いたけれど
5回目の冬は小雪。
わたしにとって雪は鎮静剤らしい。
春を受け入れられない。

 

春になると雑草の成長に振り回され、
種を撒くと世話はあるし、
収穫は待ったなし。
天気に左右されて
計画どおりに進まない日々が始まる。

 

娘にせがまれて
今年初めて田んぼに向かった。
畔はカエルの冬眠穴だらけ。
視線を田んぼに向けると無数のカエルの卵。
カエルは早々と
冬眠から覚めて産卵していた。
春だってさ。

 

 

自転車で先を行く娘を追いかけながら
そろそろ春を受け入れようと
摘んだフキノトウを握りしめたら
春の香りがした。

 

 

カエルの卵を
気持ち悪いと思うようになったのは
いつからだろう。

 

 


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