私が爪を塗る理由 ー 上間美絵
4月、桜、入学、新天地
なにか始めなければ
いけないような気にさせる季節
新しく何かにとりかかる理由を
見つけやすい季節
いろんな始まりがありますね。
私の母はマニキュアを塗らない人です。
家の中には何も
ネイルのきっかけがなかった。
今はあまり見かけないけれど
薬局や雑貨やさんに並んでいた
爪磨きセットを
祖父に買ってもらった頃から
爪に執着しはじめた記憶。
目の荒いバフからはじめて、
次に細かい目のバフ。
仕上げに粒子の立ったクリームを
鹿皮バッファーへのせて
一気に磨きあげる。
ピカピカつるつるするのが嬉しくて
ランドセルに忍ばせていました。
ながらく透明な爪で満足していた私は
「色もつけられる」ことを
ドリカムの晴れたらいいねを
朝ドラ ( ’92 ひらり )ついでに
口ずさんで気がつくのです。
その後から今日まで
誰にもたのまれていないのに、
せっせと爪に色をのせて 笑っていました。
私が爪を塗る理由はただ一つ
自分がうれしい、これに尽きます。
こういう「自分がうれしい」の類いは
将来役立つことはないだろう、
学業の邪魔だ、と
大人に思われていそうと先回りをして、
いっとき自ら遠のけました。
(怒られるのが極端に嫌い)
それが仕事となる事も
あるとわかっていれば
もっと堂々と、現実主義な大人の視線に
立ち向かえたかもしれません。
何か自分なりの嬉しいことが見つかり
始めている人全方位へ
手放さなくていいんだよー
とささやかにお知らせしたいです。
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