大石先生に教わりたい /「二十四の瞳」ー 大場 綾


映画リレーコラムです。
受け取ったバトンは
「ニューシネマパラダイス」。

 

大ヒット作。
とにかく泣けると評判だった。

最初はあまのじゃくな気持ちで観たと
克子さんが書いている

同じく斜に構えて観た。
しかしてラストシーンでまんまと泣いた。
今観たらどうなのか
私も確かめてみようと思う。

 

自転車が印象的な映画でもあった。
ポスターにもなった
トトとアルフレードの二人乗り。
青年トトが映画のフィルムを
荷台に積んで駆けずり回る場面もあった。

島と自転車は相性がいい。

 

高峰秀子が紺碧の空を背にして
颯爽と走っていく「二十四の瞳」もそう。

今回が初見だけど。

 

序盤で高峰秀子演じる大石先生は
大怪我をして学校を休む。

先生のことが大好きな1年生12人の生徒は
見舞いに繰り出す。
お金がないからバスに乗らず徒歩で行く。
自転車で50分の道のりだ。
お腹が空いて不安で。
ついに1人が泣きだす。
つられてみんな泣く。

わんわん泣きながらも
先生の家を目指して歩くのはやめない。
いじらしい。
ようやく会えた先生にわーっと群がる。
微笑ましい。

などと目を細めていられるのはここまで。

 

以後は過酷な運命が
先生と子供たちをこれでもかと見舞う。

素朴な島の風景との乖離が甚だしい。
原作を読んだ記憶があやふやなのは、
つらくて挫折したからかもしれない。

映画はミュージカル映画並みに
歌われるたくさんの歌に癒されつつ
最後までいけた。歌の力。

 

18年後のラストシーンで
大石先生は再び自転車に乗っている。

生き延びて大人になれた子供たちから
贈られた自転車だ。

 

冒頭と同じ風景の中を走る。
高波を浴びたってへいちゃらだった
若いころと違い、
今はひと漕ぎひと漕ぎが重い。

人生の重み。

 

156分もある上映時間に、
観る前は「ながっ!」と驚いたが、
観終わってみれば
この時間を積み重ねないと
感じられないだろう重さだった。

 


大場 綾ブログ「kusamura.com」

 


2019年04月12日 | Posted in 余談Lab, 大場綾, 映画に学ぶ | | No Comments » 

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