すてきな失敗 ー はしもとみお

 

あらゆることで失敗できたら、
なんと生きやすいことでしょう。
大人になるということは、
失敗できることが
減ってくることなのかもしれません。

 

子供たちと
美術のワークショップをしていると、
いとも簡単に失敗してくれる。
しかも失敗してもやりなおし、
やり直して失敗したら、
またやり直してくれる。

 

そうやって練りに練った失敗を経て
のりこえてできた造形は、
なんと美しくすてきなバランスを
保っていることか。
嫌味さが全くないのも、
失敗をおそれない純粋さのなせる技か。

 

私は美術を学んでから、
失敗の持つ力の美しさを、
信用することにしています。
それなので、木彫であっても、
デッサンであっても、
あたらしい画面に向かうたび、
生まれたての子供のようなきもちで、
今まで積み上げてきた技術をすべて捨てて、
目の前のモチーフに臨みます。
あたらしい失敗がしたいから。

 

失敗するごとに、自然に敬意を、
自分には謙虚さを、
リズム良く与えてもらっています。

失敗がみつけてくれるのは、
生まれたての頃の自分。
本当の自分自身です。
そして同じような失敗をした友達に、
共感することだってできるはず。

 

子供たちよ、すてきな失敗をたくさんして、
転んで笑ってのりこえて、
大人になって本当に失敗できないときに
幾千の失敗の経験を元に
極限の最善の選択をしてください。
失敗できなくなった大人にとって、
輝きをあたえてくれるのはいつも、
子供たちのすてきな失敗なのです。


「はしもとみおホームページ」

 


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