好きの連鎖、幸せな関係 ー 土屋裕一

 

どんな分野にもいる名物おじさんが
古本の世界にもいます。

 

京都で過ごした学生時代に、
古本界の名物おじさん、
山本善行さんをよく見かけたものです。

古本好きが高じて、
古本と古本屋にまつわる本を
何冊も出版された山本さん。

見かけるときはたいてい自転車にまたがり、
まさに「古本屋巡りの真っ最中!」
という様子で、
京都の街を駆け抜けていました。

 

京都を離れた数年後、
山本さんはついに
古本屋「善行堂」を開業します。

在学中に善行堂があったら
その後の人生変わっていたかも…

なんて思ったのも
もうずいぶん前のことです。

 

先日、ふらりと立ち寄った本屋
レベルブックスで、
気になるタイトル
『漱石全集を買った日』を見つけました。

善行堂で買った本はすべて手元にあり、
しかも買った順番まで
ノートに書き残していた一人の青年、
清水さん。

数年間というスパンで
清水さんが“古本病”にかかっていく経過を、

店主である山本さんとの対談形式で
語り合っている一冊です。

 

この本の特筆すべきポイントは、
かなり特殊なお客さんである
清水さんの存在と、

山本さんの笑顔が簡単に想像できてしまう、
実にうれしそうな語り口でしょう。

好きが通じ、好きに染まり、
好きを語らえる極上の幸せが
文面からこぼれています。

 

2019年暫定1位のグッときた本です。
うらやましい上に感動しちゃいました。

みなさんもぜひ、
古本病にかかってください。

 


「本屋写真館」web

 


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