自分の居場所を探し求めて/「荒野にて」ー 中村克子

2019年上半期、
映画館で観た映画の第1位は「荒野にて」。

 

孤独な15歳の少年チャーリーが
愛馬であるピートと一緒に
アメリカの荒野をひたすら歩く…。

簡単に説明するとそんな映画だ。

 

前回の大場 綾さんが紹介した映画
「僕の村は戦場だった」。

 

主人公イワンは映画の冒頭、

「キラキラの田園風景をバックにした
    笑顔の美少年」

として登場した。
チャーリーもリバー・フェニックスを
もっと優しくしたような顔つき
( ↑ 個人的な感想)で美少年だ。
そして、イワンはたった一人、
戦場を生き抜こうとしたという。

 

チャーリーも、アメリカの現代社会を
たった一人で生き抜こうとした。

 

映画のなかで、
いくつもの胸を打つシーンがある。
観ている側は母親のような気分だ。

 

チャーリーは
生活能力のない父親と二人暮らし。
家計を助けるために、
チャーリーは家の近くにあった
競馬場の厩舎で働くことになる。
仕事を覚えるのが早く、真面目で素直。
競走馬のピートの世話をするうちに、
チャーリーは馬との交流を深めていく。
その健気な姿に涙腺がゆるむ。

 

そんな彼に不幸が襲う。
父親がある事件で亡くなってしまう。
さらに、ピートはレースに惨敗して
殺処分されることに。

 

チャーリーはピートを無断で連れ出し、
唯一、頼りにしていた
伯母が住む街をめざして逃走する。

 

荒野を歩きながら、チャーリーが愛馬に
幼い頃に家出した母親の話や
楽しかった学校での思い出などを
語りかける。
このシーンでは、涙腺がさらにゆるむ。

 

旅のなかで、
彼はいくつかの罪を犯すことになる。
現実的に考えると、
途中でギブアップするか、
警察に見つかって
保護されるのではないかと思う。
しかし、伯母さんに会いに行くために
ひたすら前に進もうとする。

 

ちなみに、ピートの最期は突然やってくる。
あっという間の出来事で
チャーリーには防ぎようがなかった…。
残念!

 

チャーリーは、ずっと自分の居場所が
ほしかったのだと思う。
普通に学校に行って、友達と楽しく過ごし、
安心して生活できる場所を求めていた。

 

厳しい現実の中で
正直に生きようとしたチャーリーは、
とても芯の強い人間なのかもしれない。

 

映画の冒頭とラストに
早朝、ランニングをしている
印象深いシーンがある。

 

特にラストは、朝の光が
希望をあらわしているようで
清々しさを感じた。

 

 


「青と夜ノ空」Web


2019年06月26日 | Posted in 余談Lab, 中村克子, 映画に学ぶ | | No Comments » 

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