海の中のように ー はしもとみお

 

大海の中の水一滴でも塩辛いように、
あれほど大きな存在が
どこもかしこも同じ成分を含んでいるとは、
地球の強さに驚かされる今日この頃です。

 

このことが、表現の世界でも
とても大切な意味を持っています。

 

たとえば同じ鉛筆で同じ紙に絵を描いても、
描き手によって結果は
大きく変化するはずなのですが、
その一筆一筆に
自分の成分が入り込んでないと、
似たり寄ったりの
響いてこない絵になってしまいます。

 

いい絵、いい彫刻、いい音楽、いい人生、
それは何かと問われれば、

「その作り上げたものの隅々にまで
   その人自身が入り込んでいるもの

と迷わず答えます。

 

海の中のどの場所の一滴をすくっても、
海自身であり川の水とは違う。
そんな風に自分自身の
今の全部を乗せた一筆、一刀は
まぎれもなくその人自身であり、
誰のものでもない。

 

そう、それは血のようなもの。
その人の血で作り、血で描き、
血で奏でているような芸術は、
見る人の心を震わせます。
ここで言う血は、血筋などではありません。
芸術家はどちらかというと
血筋よりポンと突然変異的に
生まれてくるものです。

 

人生そのものも、振り返ってみると
自分の血で獲得してきたもので
あふれているような、
どの瞬間もどの決断も
自分自身がしっかりと浮かび上がるような、
そんな生き方をしたいものですね。

 

ひとこと、ひとことも、
その人の血が通っているような言葉で、
語り合いたいです。

 


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