かこさとしさんのこと ー 檜垣裕美

 

少し前になるがゴールデンウィークに
上野の森ブックフェスタに行ってきた。

 

上野の森ブックフェスタは
毎年ゴールデンウィークに
上野公園でおこなれているイベントで、
絵本の読み聞かせや紙芝居、
絵本作家の講演会やサイン会など
盛りだくさんの内容である。
それに加え、たいていの絵本や児童書が
20%で買えるという、
なかなかお得なイベントである。

 

このブックフェスタで、
かこさとしさんのお嬢さんの鈴木万里さんと
絵本作家の鈴木まもるさんの講演会を
聴きに行ってきた。

 

二人とも偶然鈴木さんだが
親族関係にはない。
講演会は、かこさんの遺作
「みずとはなんじゃ?」が
できるまでのお話が中心だった。

 

「みずとはなんじゃ?」は、
低年齢の子供が読んでもわかりやすいように
水のことを説明した絵本だ。

 

かこさんは生前この本のことを

「いままでのすべての本の
    あとがきのようなもの」

と言っておられたそうで、文章を書いて
絵もご自分で描こうとしていたが、
病気で体が衰えていって
絵を描くことが難しくなり、

「この人になら任せられる!」

と思った鈴木まもるさんに
絵を託したのだそうだ。

 

この絵本のなかには「かわ」など、
かこさんの過去の絵本のなかの
絵に出てくる人やものが
いくつも出てくるようだ。

 

鈴木まもるさんに言わせると、
これはオマージュではなく、
いままでかこさんの作品を
体全部で読んできていたので
絵を描いていると
自然に出てきたのだという。

 

そういうお話を聴いていると
「かわ」をはじめとする
かこさんの作品と、
この「みずとはなんじゃ?」を
見比べて読みたくなった。

 

ひとりの絵本作家が亡くなるのは
すごく残念なことだけど、
次の世代の人がそれを引き継いでいくのは
心強いことだと思った。

 

自伝「未来のだるまちゃんへ」を読んでいて
わかったことなのだが、
かこさんは47歳まで絵本を描きながら
会社勤めを続けていたのだという。
会社員としての安定した収入が
必要だと思っていたが、
40代になってからは
人生の残り時間が気になってきて、
手掛けていた仕事の区切りをつけてから
退職したのだという。

 

この人も二足のわらじーズだったなんて…。

 


檜垣裕美Instagram


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA