宿題 ー chon-muop(澁谷橙)

 

毎日、宿題をこなしているような日々だ。

 

仕事、家事、こどものこと…
終わりに向けて作業を始め、
終わりが来れば次が始まる。
まるで、宿題の海だ。
大きくも小さくもわたしを濡らして、
宿題の波が寄せては返す。

 

こどもの頃、学校の宿題には答えがあった。
答えまでの最短ルートを
探し当てることを楽しんだ。
答えがスムーズに見つかると、
気持ちがいい。
でも、いつしか学校が嫌いになった。
学校から遠ざかり、宿題もしなくなった。

 

毎日宿題のプリントをやり
宿題の音読をやり
計算暗記カードをやり
先週末には初めての夏休みの宿題を
与えられた
小学生1年生のわが娘を見て、
ふと考えた。

 

わたしが学校から遠ざかった頃
のめり込むようになった演劇は
宿題のかたまりのようなものだった。

 

台本を読む
台詞を覚える
動きを考える
稽古で他の人と合わせていく。

 

俳優、劇作家、演出家
照明、音響、美術などそれぞれに
宿題を抱えながら上演を目指す。

 

上演はすべての宿題の答え合わせだ。
けれど、正解はひとつではない。

 

何もせずにごろごろしているような時間も
生活のためにバイトをしている時間も
酒を飲んで語らっている夜も
演劇の宿題はわたしの体の中で生きていて
少しずつ「わたしの正解」を変えていく。

 

日常が、演劇とつながっているのが解る。
それでわたしは、演劇が好きになった。

 

最短ルートは見つからないし
スムーズな答えはどこにもない。
世界も社会もどんどん変わる。
だからわたしは演劇をする。

 

好きな宿題をいつまでも
好きなわたしのまま楽しんでいたいのだ。

 

わたしたちチョンモップ3人の
ひらめきのタネはこれでおしまいです。
長い間ありがとうございました。
タネがどこまでも継がれていきますように。

 

chon-muopのブログ『沸きあげ保温』

 


2019年08月03日 | Posted in 余談Lab, ひらめきのタネ, 劇団 chon-muop | | No Comments » 

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