タクシーの映画/「TAXi2」「タクシー運転手」 ー 大場 綾

 

前回の克子さん
「ナイト・オン・ザ・プラネット」。

 

北半球の5つの街のタクシー運転手と
その乗客の約30分を
切り取った映画だった。

 

4つ目のエピソードはパリの黒人運転手。
盲目の女性客に
「俺の声と喋り方で出身地がわかるか?」
と聞く。
その直前に乗せた客の質問を受けた形だ。
彼と同じアフリカ系で
目も見える前の客たちは
わからなかったのに、
彼女はサラリと当てる。

 

フランス、タクシー、黒人ときて
強烈に覚えているのは
リュック・ベッソン製作の
コメディ&アクション映画「TAXi2」だ。

 

本編とは全然関係ないシーン。
黒人の警官が路上でただ立っていると
車が減速もせずに突っ込んできて
ぶっ飛ばされる。
が、コメディ映画なので
無傷ですぐに立ち上がる。

 

彼が「なんで?!」と叫ぶと、
一緒にいた同僚が
「黒人で警官でマルセイユだからだろ」
と言う。
(黒人は人種差別、
    警官は権力に対する敵意、
   マルセイユというのは治安が悪いから、
   だと思う)

えっそういうの言っちゃうんだ軽く!

とびっくりした。

 

フランス映画は倫理的なタブーを
平気でネタにするときがあるように思う。
アメリカ映画で気になったことは
あまりない。
ポリティカル・コレクトネスで
念入りに排除されているのだろうか。

 

タクシー運転手といえば
韓国映画のその名もずばり
「タクシー運転手」。
主演のソン・ガンホは愉快だが、
テーマは重い。

 

1980年5月に韓国で起きた
光州事件が舞台。
中国の天安門事件は知っていたけど、
こちらは全然知らなかった。
たくさんの犠牲者が出たという。

近くて遠い隣の国の歴史を
私は全然知らない。

 

知らなさすぎて、
いま起きているさまざまなことに
何か言うこともできない。

映画を観ることも、現代美術を見ることも、
自分が知らなかった世界に
目を拓かれるところに
驚きと喜びがあると思う。

もっと知っていかねば。

 

 


大場 綾ブログ「kusamura.com」


2019年08月11日 | Posted in 大場綾, 映画に学ぶ | | No Comments » 

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