好きを大事にできる場所 ー 青羊(けもの)

 

とてつもなく元気がない火曜日。
脳裏に浮かんだのは “ 美松 ” という食堂。
友人と一度行ったことがある。
魚が美味しい。
それに、相席になった向かいのオジさんが
お茶目だったこともあり、
温かい時間として記憶されている。
今日は一人で寄ってみよう。

 

池袋駅から10分くらいお店まで歩く。
お店は暗くて定休日だった。
しかしお店のドアに
営業日が吊るしてあって、
“ 
美松はなれ ” という別の店舗は
今日は開いていると書いてある。

 

歩いて1分のところに “ はなれ ” はあった。
本店よりも洗練された外観は
映画「かもめ食堂」にも
出てきそうなくらい。
店内はカウンターのみで、
ひとりで来ている男性が2組。

 

メニューとお茶が出された。
本日の定食の箇条書きをじっと覗く。
迷ったのはこの2つ。


・むぎとろサンマみりん焼付

・サバみそ煮

選んだのは前者。
(このタイトル画像のものです。)
うっとりとする “ サンマみりん ” の艶。
お味噌汁もとっても美味しかった。
お新香も。

 

このお店には白川静の本が置いてあって
より好意を抱いた。

辞典のように分厚い「白川静著作集」。
漢字の成り立ちに生涯をかけた人。
私は白川静が好きだと思っていたけれど、
そういえば本を読んだことがない。
私は毎年「白川静カレンダー」
使っているのに。

 

もうひとつ、このお店には柱時計があって
より好意を抱いた。
チクタクチクタク時を刻む音。
腕時計の針の音を聞くのが
最近の私だけの流行りで、
柱時計のこの音も
それに似ていいなと思った。

 

帰り際にここの店主と思しきオヤジさんに

「白川静の本貸そうか?」

と言っていただいたのに
うっかり断ってしまったことだけ、
心残りになったけれど、
ここに来て心と背筋がぴんと伸びた。
また来ようっと。

 


「けもの」Web


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