常識をうたがうことで見えてくるもの ー 浅野理生

 

天高く馬肥ゆる秋。
食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋。
空が高く感じられ、
天を仰ぐのが気持ちよい季節となりました。
みなさんはどんな秋を過ごしていますか?

 

私は空を見上げると
思いだす絵本があります。
それは

「天動説の絵本
   —てんがうごいていたころのはなしー」

 

作者は美術だけでなく、
科学・数学・文学などにも造詣が深い
日本の画家である安野光雅さん。

 

この絵本は、もう地球儀というものを見、
地球が丸いことを
前もって知ってしまった子どもたちに、
いま一度地動説の驚きと悲しみを
感じてもらいたいと願って
40年まえにかかれたものです。

 

顕微鏡がない時代、
病気は菌やウィルスが原因ではなく、
悪魔や魔女の仕業だと考えられていました。

 

天動説が常識だった時代に、
地動説を訴えた科学者たちは
火あぶりにされたり、
宗教裁判にかけられたりと、
悲しい過去を経て今につながっています。

 

そのような時代の出来事を思うと、
「地球は丸くて動く」などと、
なんの感動もなしに
軽々しく言って貰っては困る。
迷信に埋まっていた古い時代から
新しい科学の時代をむかえるまで…
それは文字通り天と地が
ひっくりかえるほどの
はげしい変わりようであったことを、
ぜひ子どもたちに伝えたい。

そんな安野さんの想いと知識が
ギュッと詰まった絵本です。
また安野さんの本は、
「あとがき」がとても良いのです。

 

 

この絵本を手に、
読書の秋を楽しむのもいいですね。

 


wagashi asobi」Web


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