ビール、ビール /「ワールズ・エンド 酔っぱらいは世界を救う!」ー 大場 綾

 

 

前回克子さんが取り上げた作品は
「グラン・トリノ」。

 

主人公コワルスキーの家は
芝生の前庭があって、
道路からそこを抜けて
玄関への階段を上がったら
ポーチに立ってるという、
アメリカ映画でよく見る庶民の家。
結構あこがれ。
ポーチに置いた椅子に腰かけて
夜風に吹かれながら隣の連れと
語り合ったりするなど、いとよろし。

 

奥さんに先立たれ
独り暮らしのコワルスキーの連れは
ずらりと並んだ缶ビールだ。

プシュッと開けてぐびぐびっと飲み、
クシャっと潰して放り出す。

ビールが飲みたくなる映画だった。

 

「ワールズ・エンド 
    酔っぱらいは世界を救う!」

もビール欲が高まる映画。

 

中年おじさん5人組が
高校卒業以来帰っていなかった
イギリスの片田舎の町で、
当時失敗した「パブ12軒はしご酒」に
トライアゲイン、という話だ。

ワールズ・エンドは
そのゴールのパブの店名。

 

前知識なしで観た。

 

店を変わるごとに
それぞれの人生が語られるのかな?

コメディから
ヒューマンドラマに変わるのかな?

いや「世界を救う」とは?

などと観ていたら27分あたりで
アサッテの方向に変わった。

更にラストの後日譚も別世界に。

 

ゲイリーはおそらく無職。
高校時代の、女が大好きで
笑わせるのがうまくてテンションが高くて
教養皆無という属性のまま、
つまり成長なく年を重ねて40代。
やりたいことも夢もない。

はしご酒リベンジ作戦を成功させて
どうしたいとかもない。

潔いまでに空っぽ。
なんならクズ。

 

映画の冒頭で、友達4人は
それぞれが堅実な仕事に就き、
安定した暮しを送っている姿が描かれる。

さてその安定ってやつは
ゲイリーの空っぽよりもいいものなのかな?

 

ちなみに私は「ちゃんとしたい」が口癖。
4人はちゃんとしてる。
しかしちゃんとってなんだ?
ちゃんとしなくてもいいじゃん別に。
と映画が揺さぶってくる。
意外と攻めてる映画かもしれない。

 

 


大場 綾ブログ「kusamura.com」


2019年10月12日 | Posted in clue topics, 余談Lab, 大場綾, 映画に学ぶ | | No Comments » 

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