出発 ー にわ つとむ

 

自分が演じたい役が
回ってくることを願うんじゃなく、
自分で書いてやろう

という思いつきから
脚本の勉強を始めた今日この頃。

 

身の回りで起こること、
全てがドラマであり、
何ひとつ無駄はないと
改めて思うよう
になった今日この頃。

 

生きている一瞬、一瞬が、
物語の途中であり、
この先どんなストーリーに
なっていく
のかと思うと
楽しくなってきた今日この頃。 
いや、楽しめるようになってきた
今日この頃。

 

世に出づる、出発を書いてみました。

 

○宝田産婦人科・分娩室(夜)

 来島香奈(28)。
 額に大粒の汗をかきながら
 呼吸をしている。

 

香奈 「ヒッヒフー、ヒッヒフー」

 

 来島幸太(30)が、
 横で香奈の手を握っている。

 

幸太 「頑張れ!頑張れ!」

 

 汗が吹き出し髪の毛が
 びしょびしょに濡れている香奈

 

助産婦 「力抜いてねー。
               息吐きながらねー、
               お顔出てくるよー」

 

  幸太の手を強く握り直す香奈。

 

幸太  「あと少し、もう少し」

 

 香奈の背中をさする幸太。
    苦しそうな表情の香奈。

 

助産婦  「はい、次、足出てくるよー」

 

   窓の外、雪が降り始めている。
   天井に描かれた星の絵が
   ライトに照らされキラキラ輝いている。

    

     「おぎゃあー、おぎゃあー」

   

元気な赤ちゃんの泣き声が聞こえる。

 

助産婦    「やりました!
                  おめでとうございます!」

 

 赤ちゃんを取り上げる助産婦。

 幸太の目に涙が溢れだす。

 

幸太       「・・・・・よく頑張ったね香奈」

 

 そっと香奈の頭をなでる幸太。 
 涙がこぼれ落ちる。

 

 香奈、ほほ笑みながら

 

香奈  「うん、頑張った・・・・・

 

 ほっとした表情の香奈。赤ちゃんを見て、

 

香奈  「・・・・・・・
                 生まれて来てくれてありがとう」

 

 窓の外、真っ白な銀世界が広がっている。

 


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