神様の土地の音風景 ー ヤマグチマコト

 

先日ちょっとした旅に出掛けました。

 

向かった先は、伊勢・熊野。
神様が住む土地、と言われ、
そこに広がる自然そのものが
信仰の対象となっているとの話を聞き、
一度は足を運んでみたいと
思っていました。

 

せっかくなので、
以前こちらのコラムでも登場した
「サウンドスケープ」の観点から、
この旅を振り返ってみようと思います。

 

全体としてまず印象的だったのは、
東京との “ ダイナミックレンジ ” の差。
簡単に言うと、
小さな音と大きな音との音量の差です。

 

伊勢神宮の付近も、
日中は参拝者で賑わっていて
それこそ東京の繁華街と
変わらないくらい
さまざまな音で
埋め尽くされていますが、
少しでもその雑踏を離れると、
びっくりするくらい
音の隙間を感じます。

 

現在、自分が住んでいる街と、
人や建物の密度の差は
さほど無いという印象でしたが、
定在する音の量は大分違いました。

 

熊野の山では、
当たり前のように川や木々、
鳥の鳴き声など
自然界の音が主役になってきます。

 

さらに、山間と頂上近くでは、
同じ自然の音でも
まったく違った響きを見せます。

 

山に囲まれた土地では、
大小に関わらず、
音が山肌に反響することで、
人工的な音も自然の音も
すべて同一のフィルターで
混ざり合って、
面白い共存関係を生み出します。

 

そして山を上がるにつれて、
反響する対象が無くなり、
逆に音1つ1つの粒を
はっきりと感じられるように
なっていきます。

 

山の中は空気が澄んでいる、
とは良く聞きますが、
音も澄んで綺麗な響きに
なっていくというのは
この旅での大きな
発見だったように思います。

 

神様って音にも
気を配っているんですね。

 

 


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