我欲の秋 ー 山田和寛


装丁をする度に溜まっていく
 まっさらな束見本(つかみほん)


秋。デザインギョーカイ的には

様々なアワードの受賞結果が
発表される時期ですが、

ワタクシはというと、
いちおうグラフィックデザイナーの
端くれでありつつも

こういった賞とは距離を置きつつ
出品しないのが基本的な姿勢です。

 

日本のとあるデザイナー団体が
主催する賞では、

審査員が出品できる上に
それが受賞してしまうという

はたから見て公正さが疑われる
珍妙な習慣があり、

いまから十数年前、
パンク青年だった大学生の僕は、


「実質サロン化しているじゃないか!」


と先生につっかかっていったことが
ありました。
この各種デザイナー団体周辺、
権威主義的でどーも苦手なんですよね。
どこにでもある構造かもしれませんが。

 

このシーズンのSNSでは
友人知人たちの「○○に入賞した」、

「××にノミネートされた」という報告が
たくさん上がってきて、

めでたいことなんだけど、
なんだかもやもやする気持ちを
抱えています。

(実際そこまで気にしてるわけでも無いですけど)

 

ところが装丁の世界というのは、
これといって権威的な賞がありません。
装丁家というのは
デザインをやる人々の中でも

職人気質でおとなしい人が
多いような気がします。

ものづくりは大好きだけど
大人数での作業が苦手で、

一人でも完結できる仕事、
というのが理由かもしれません。

 

そんな不器用な人の多い装丁の世界は
なんだか居心地がいいのです。

 


nipponia」web


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