奇習を見た話 ー 山田和寛

 

2020年2月11日、
私は山形県の
ローカルスーパーマーケット、
ヤマザワ上山店のカフェテリアで、
地元のアベック、老人、
ファミリーに混じって
コーヒーをすすっていた。なぜか?

 

その日、
私は今年度二度の授業を請け負った
東北芸術工科大学の卒業制作展を観に、
新幹線で山形に向かっていた。

 

その車中、ふと地元出身の者に

「奇祭、奇習の類いはないだろうか?」

と尋ねると、

「傘お化けのような格好で練り歩く
祭りとも言えない風習がある」

とのこと。
こういうときは文明の利器を駆使し、
検索すると良いことを知っている。

 

すると、藁でできた蓑のようなものの、
顔の部分だけくりぬいた衣装を
頭からすっぽりかぶった一団が
すね毛丸出しで
雪道を闊歩する画像が出てくる。
なるほど確かに傘お化けだ。
奇習は名をカセドリといった。

 

いつやっているだろうか、
やっているときにまた来ようか、
たまたま今日やってたりしないかなぁ。
しねぇだろうなぁと逡巡していると、
地元の公式ホームページによれば、
一年に一度、2月11日に開催されるとの由。

 

今日やってるじゃん。

 

これは天啓、運命のいたずらに
違いないと新幹線を下車。
文明の利器を頼りに現場へと向かった。

 

あと数十分ほどで
地元のスーパーマーケットへ行列が来る。
とのことでカフェテリアにて待機。

 

そこで観たのは紛れもない奇習。
件の格好をした一団が、
円になって
カッカッカーのカッカッカの音頭で、
火消しの風の衣装を着た親方の
周りをぐるぐる回りながら、
しかも幼女に水を浴びせられる。
すね毛も丸出しだ。

 

民俗学の神様のおかげで
いいものが見られた。
意気揚々と芸工大へと向かった。

 

カセドリの現場写真

 


nipponia」web


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