勉強しに行く/「世界の果ての通学路」ー 大場 綾

 

前回克子さんが紹介してくれた
「ロレンツォのオイル」、
借りたDVDを30分観たらノイズで進めず。
借り直そうと思っているうちに
緊急事態宣言が出て
TSUTAYAがしばらく休業に。
映画でも現実でも、
病気の進行のあまりの早さに
呆然としている。

 

「ロレンツォのオイル」の冒頭は
南アフリカだった。
アフリカ人の男の子が
ロレンツォにプレゼントする
木彫りを彫ってるシーン。
ドキュメンタリー映画
「世界の果ての通学路」も
アフリカから始まる。

 

どこともわからない地面がまず映る。
子供の手が現れて
その地面を素手で掘り始める。
どんどん掘るうちに砂質の地面から
水が滲み出してくる。

 

最初は泥水だったのが
やがて澄んだ水になる。
その水を何度もしゃくっては
ポリ容器に詰めていく。
どの動作も素早く、無駄がない。

 

その水を携えて、妹を従えて、
11歳のジャクソン少年が
今日も通学路へ歩み出す。
その背中に
「象の群れに気をつけなさい」
とお母さん。
大きな道路を渡るときのように。

 

画面が引いて俯瞰になると、
はるか遠くの山並み以外は
真っ平らな大草原だ。
道があるようにはとても見えない。
しかし兄と妹は迷いのない足取りで
スタスタと進む。
通い慣れた道だから。

 

そんなふうに、
4組の子供たちの通学路を取材した映画だ。

 

モロッコのアトラス山脈に住むザヒラは
月曜に友達と待ち合わせて全寮制の学校へ。
家に帰るのは金曜日。

 

インドのサミュエルは足が不自由で、
二人の弟が車いすを押しての通学。
車椅子は錆だらけで歪んで重くて、
ちょっとした水路を渡るにも
弟たちは力を振り絞る。

 

アルゼンチンのカルロスは
妹を後ろに乗せて馬で通学する。
これまた平原と山だけの景色の中を。

 

カルロス以外は金銭的に恵まれてはいない。
でも心の豊かさがすごい。
勉強への熱意も。

 

最後に四人がそれぞれ夢を語る。
自分に誇りを持っている。
夢がある。

 

だからって学校に行くのは絶対大事とか、
行きたくないのは贅沢だとか、
そういうことは言えない。
学校だけでなく学びの場に行くこと自体が
世界中で難しくなってしまった
今という時期に観ると、
いろいろ複雑な気持ちになる。

 

 


大場 綾ブログ「kusamura.com」


2020年04月14日 | Posted in 余談Lab, clue topics, 映画に学ぶ, 大場綾 | | No Comments » 

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