飽くなきアク抜き ー したたむ(夏樹)

 

鶯のぐぜり鳴きの時期が終わり、

「ほー..ほけきょ!」

という鳴き声が耳慣れた頃、
したたむ の周りでは
筍をめぐる猪との格闘が始まる。

 

猪の勢いはとにかくもの凄い。
一晩で竹林の地面はボロボロにされ、
一番美味しそうな頃合いの筍を
食い散らかしてしまう。

 

しかし、何度となく猪に先を越され
悔しい思いをしていたのも束の間、
竹の成長スピードが猪の食欲を追い越し
食われずに済んだ筍が
そこ彼処で頭を出し始める。

 

 

小躍りしながらつるはしとシャベルで
傷つけないように掘り返し、
丁寧に取り上げる。

 

筍は時間との勝負。
切り取られるとすぐに
えぐみの原因となるアクが出始め、
時間が経つほどに
どんどん強まっていくので、
掘った後出来るだけ日差しに当てず
極力早めにアク抜きをしないといけない。

 

外側の皮を1、2枚捨て、
穂先を斜めに落とし、
縦に切り込みをいれる。
たっぷりの水の中に
筍、糠、唐辛子を入れ茹で始める。

 

 

小まめにアクを取りつつ、
根元が柔らかくなるまで茹でる。
茹でたらひと晩(8時間以上)
しっかり冷ます。

 

新鮮な筍を茹でていると、
蒸したとうもろこしに似た
甘い香りが漂ってくる。
とうもろこしと竹、
どちらも同じイネ科の植物だからだそう。
この香りがとても好きで、
春の訪れを感じる香りだ。

 

まずは旬の味と香りを
ダイレクトに刺身で。
新物のワカメと
追い鰹をした出汁香る定番、若竹煮。
オリーブオイルと塩のみでグリルに。
ブルーチーズのソースと
黒胡椒をかけた相性抜群の逸品も。
筍と独活芽のペペロンチーノなんかも
美味そうだな。
新芽の季節が重なる
山椒を散らした筍ご飯も。
考えだすとお腹が空いてきた。

 

 

これから筍が終わるまで
アク抜きをする日々が続くことになる。

 

「したたむ」web


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