物語を感じる洋服 ー 檜垣裕美

 

だいぶ前になるが、1月の終わりに
ミナペルホネン/皆川明 つづく」展
をみに行った。

 

2020年S/Sコレクションまでの
約25年分の400着の洋服、
生地になる前のデザイン画、
個人が所有している洋服と
それにまつわるエピソードの展示など
どれを取ってもわくわくする展覧会だった。

 

実はこの展覧会の会期中、
東京都現代美術館には3度足を運んでいる。
1度は展示をみるため、
あとの2度はクロストーク
(ミナペルホネンのものづくりと大きくかかわってきた人たちと皆川さんとの対談)
を聞くためだった。

 

わたしは展覧会をみるのもすきだが、
作品をつくったのがどんな人で、
どんなことを考えて
作品をつくったのかということにも
それと同じくらい興味がある。

 

ミナペルホネンの洋服と言えば、
デザインがかわいらしいだけではなく、
デザインを実際の洋服にするまでのあいだ、
デザイナーの人と職人の方たちが
すりあわせをしてとても丁寧に
服作りをしているという印象があったが、
今回のクロストークを聴きに行って、
それだけではない精神面での
豊かさがあることを知った。

 

クロストークで皆川さんは
次のようなことを言っていた。

「洋服というのは、
自分の身体と1番身近な空間だ。
その空間には質量や肌触りがある。
洋服のなかにいながらにして
外を見たり触れたりして
外と対話できるのだ」

と。

 

心のなかの景色を皆川さんが描き、
そこから刺繍や織りの職人の方たちが
喜びを感じながら
思いを込めて服作りをする。
そして、その洋服を身に着ける人たちが
暮らしのなかでさまざまな思いをし、
それが記憶として残っていく。
そうやって、その洋服は物語を
感じるものになっていくのだろう。

 

この展覧会をみて
クロストークを聴きに行ったことは、
自分はどういう洋服を着たいのか、
自分にとって洋服とはどんな存在なのか、
改めて考える良いきっかけになった。

 


檜垣裕美Instagram


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