楽しむものに如かず ー 浅野理生

 

私が和菓子の世界に入った時のこと。
それは就職氷河期と呼ばれた時代でした。

 

リクルートスーツを着て…といった、
ちゃんとした就職活動はせず、
自分の「好き」を仕事にするべく
翻弄する日々。

 

そんな中、学校の図書館で
和菓子の本を見た瞬間

「これだ!」

という衝撃が走り、その直感を頼りに、
いいなと思うお店に

「修行させてください!」

と直接電話をかけました。

 

その衝撃を生んでくれた本が写真にある
『和菓子 春夏秋冬』。

 

 

当時、女性の和菓子職人は少なく、

「女性はとらない」

と断られることもありましたが、
好きをカタチにするには
自分で動かなければ何も始まりません。

 

何度か電話をかけてご縁を頂き、
やっとの思いでこの世界に
入ることができました。

 

北海道の田舎から、
京都は祇園にある老舗和菓子店へ
飛び込んだ20歳の春。
今日はどんな仕事ができるのだろうと
愉快活発な毎日。

 

そんな私を見て、

「君を見ているとこの言葉を思い出すよ」

と師匠から渡された一枚の紙きれには、
その後の人生を支えてくれたと言っても
過言ではない言葉が書いてありました。

 

それは中国の思想家、孔子の言葉。

『これを知るものは
これを好むものに如かず。
これを好むものは
これを楽しむものに如かず。』

 

ものごとを理解し知識があるひとは、
それを好きなひとにはかなわない。
ものごとを好んでいるひとは、
それを心から楽しんでいるひとには
かなわない。

という意味です。

 

好きなことを生業にしていても、
苦労はつきものですが、
一日の約8時間を仕事にあてるならば、
やっぱり好きなことで働けたら
楽しいものです。

 

そして楽しむには、一生懸命やること。
そこから面白さのタネが、
芽吹いてくるはずです。

 

 


「wagashi asobi」Web


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