それぞれ暮らしている人がいる/「パラサイト 半地下の家族」 ー 中村克子

 

前回の大場 綾さんのコラム
読んでいたら、
韓国映画「パラサイト 半地下の家族」
(ポン・ジュノ監督の作品)を
すぐに思い出した。
アカデミー賞の作品賞など
4部門を受賞したのが記憶に新しい。

 

映画「アス」では2つの家族が登場する。
それも同じ姿をした家族。

 

主人公アデレードの
ドッペルゲンガーがレッド。
でも実は、レッドのドッペルゲンガーが
アデレード!?
大場さんのコメントが気になった。

「自分が満ち足りている一方で、
本来の取り分を奪われた誰かが
地下で苦しんでいる」

 

「パラサイト」でも2つの家族が登場する。
半地下で暮らし、
内職でその日をつなぐような
生活をしているキム一家。
そして大豪邸に暮らすパク一家。
どちらも4人家族。

 

映画は、キム一家の半地下の窓から見える
雑多な街の風景からスタートする。
これがとても美しい映像として

登場している。

 

一方、パク一家の豪邸には
リビングに一面ガラス張りの

大きな窓がある。
庭には青々とした芝生が広がっていて、
素晴らしい眺めだ。

 

半地下と地上、
それぞれの家の窓からの風景が
対照的に表現されている。

 

キム一家の長男が友人を通じて
パク一家の長女の家庭教師を
引き受けたことをきっかけに、
2つの家族は出会うことになる。

 

キム一家は次々にパク一家の家庭教師、
車の運転手、家政婦の仕事に就く。
パラサイト(他者に依存)していく過程が
コミカルに、そして登場人物が
どこか闇を抱えている姿も
交えて描かれている。

 

物語の中盤までは地上と半地下が
メインのシーンだが、
後半から地下が登場する。
思いがけない展開にびっくりするし、
ゾッとする。

 

パク一家は、半地下や地下で
生活に苦しんでいる人がいることに
興味がない。
そしてキム一家は、自分たちより
さらに苦しんでいる人がいることを知る。

 

地上、半地下、地下。
それぞれ住んでいる人がいる。
みんな、どの場所にも住む可能性があるし、
人生はどうなるかわからない気がした。

 

物語のベースにある貧富の差。
この映画では
どちらが悪いと言う訳ではなく、
現実としてある社会問題を
エンターテイメントの映画の中に
上手に落とし込んでいると思う。

 

 

http://www.aotoyorunosora.com


2020年06月29日 | Posted in 余談Lab, 映画に学ぶ, 中村克子 | | No Comments » 

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