解説の匙加減 ー 真子みほ

 

他の美術館や博物館へ行ったとき、
作品に添えられた解説が好みだと
とたんにその館の株が上がる、

以前書いたのですが、
この解説、自分で書く場合は
本当に難しいと毎回悩みます。

 

歴史的な背景など、固定された価値を
一つの作品が示す場合は簡単なのです。
おおよそ書くべき事項は決まっているので、
情報を集めたら
すぐに書きあげることができます。

 

問題は、展覧会のテーマや
構成にその作品が関わってくるとき、
展覧会全体として
こういうことを伝えたいけれど
あまり饒舌になると
野暮だなと感じるときです。
どうにか作品と最低限の解説で
観る人に考えてほしい。
その匙加減がいつも本当に
難しいと感じます。

 

現在夏の展覧会の準備を
進めているのですが、
こちらは当館の所蔵作品と
現代作家さんを掛け合わせ
それぞれテーマのもとに展示する、
というもの。

 

所蔵作品を新たな視点で
再構築してもらうと同時に、
全てを巡ることで展覧会鑑賞という体験を
再構築していく、
というアイディアです。

 

今のところ考えているのは、
各部屋の初めに
テーマについてテキストを置き、
最後に作家略歴と
作家への質問事項を置くというもの。
各作品には何もつけません。

 

テーマについて考えつつ作品を見てもらい、
最後に少し作家の手の内を見せる形。
そして最初のテキストについては
少し私の考えていることを
出してしまおうと。
淡々としつつ書き手の顔が見える文章が
好きなのですが、
見えすぎるのも不快感を与えます。

 

本当にこれでいいのだろうかと
一ヵ月くらい直し続けていますが、
そろそろ決断の時。
ああ緊張する。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA