うまいもの ー 横山俊二

 

入梅イワシ ご存じですか?

 

魚が苦手な人でも、
梅雨時期(6、7月)のイワシを食べると
まるで別物と思うはず。

 

まぐろの中トロは定番の人気だが、
イワシのにぎり寿司、漬け、なめろう等
魚価は安くても、おいしさでは
引けを取らないのがこの時期のイワシ。

 

千葉県銚子沖は
暖流と寒流が交わるところで、
潮目に沿って魚が群がり
昔から漁師町として栄えてきた
恵まれた場所それが銚子。

 

魚が嫌いな人の理由に、
「においが臭い」が一番多い。
「骨が嫌」もある。

 

刺身は見た目でわかるが、
「なめろう」と呼ばれる
イワシの身を包丁でたたき切って細かくし、
見た目はすり身の様。
このなめろうは、
いわしの鮮度がよくないと
臭くて箸も出ない。
まさに漁場町で食べる
“うまいもの ” といえる。

 

子供のころから
鮮度の良い魚に慣らされていると、
他所でがっがりすることが多い。
においが真っ先に鼻についてしまう。
なんという贅沢で不幸な感覚だろうか。
都会に住んでいたころは、
魚料理は好んで食べなかった。
若かったし、肉の方が魅力的だった。

 

味覚の基準を育むのは生活環境、
違いを判るためにも、
良し悪し両方を食してこそ
おいしさの物差しができる。
己に生まれながらにして
備わっているセンサーを頼りにして。

 

食べ物の好き嫌いは、
本当のおいしさを知らないのか、
それともおいしく感じないのか、
定かでない。

 

おいしいと評判のものを
食べたくなるのは、
自分を知りたいからかな。
比べることでしか
測りようがないのかもしれない。

 

30代のころ、禅の師匠が

「あなたは振幅の激しい人ですね」

と言ってくれたことがある。
アナログ天秤の針の振れ幅が極端だと
説明してくれた。
自転車に例えると
左右に大きくフラフラして、
まっすぐに走れない。
今にして、
センサーの感度が鈍いことを悟った。
自分を知ることって難しい。

 

 

柏屋米菓手焼き本舗WEB


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