もはや運命の遭遇 ー 土屋裕一

 

思いがけず、とんでもない本に
行き当たることがあります。

 

前ほど自由に県外の本屋さんへ
出かけられなくなった今、
Instagramで好きな本屋さんの
入荷情報をチェックしています。

 

知らない作家さんの本は
ひとめぼれを信じて買うことも多く、
一番最近購入したフランス発の
『A Travers』は大当たりでした。

 

 

この本に文章はありません。
左ページに日付、場所、主人公の姿。
右ページには彼が見ている景色。
ただこれだけで物語が進んでいきます。

 

本を読んで
「映画を観たような読後感」というのも
おかしな話ですが、
ページとページの間に
埋れている時間も想像して、
この本のボリューム以上のものを
受け取りました。
生涯忘れられない本になるでしょう。

 

実際の古本屋さんでも
思いがけない出合いがあります。

 

今年初めて訪れた
県内の古本屋さんがあります。
昔ながらの造りで、
帳場の奥はそのまま自宅になっています。
(お昼時でそうめんを
召し上がっていました。笑)

 

 

 

年季の入った本がたくさん並ぶなか、
一番上の棚に真っ白な背表紙の本が
ささっていました。
題名も見事に日焼けしていて
全く読めません。
これ、古本屋の特殊能力なのですが、
めずらしい本は
背表紙の放つ雰囲気でわかるんです。
オーラというのか。

 

 

背伸びをして引っ張り出すと、
1930年代に出版された山の本でした。
見事な装丁にあっさり心を奪われ
そのままお会計へ。

 

「よーく見つけたな〜」

という店主の言葉は最高のご褒美です。

 


「本屋写真館」web


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