双眼鏡(地球が丸く見える場所) ー 横山俊二

 

子供の頃、双眼鏡を覗くのが好きだった。
100円玉を入れ、時間の限り見つくそうと
夢中にぐるぐる回る。
遠くのものが近くにみえるだけで
未知なる世界を、のぞき見できるような、
好奇心のかたまりだ。

 

若い時は怖さが無い、
周りが見えないのがいい、
目標にむかってまっしぐら。
双眼鏡をつけたまま歩き、
足元にあるゴツゴツとがって、
岩ノリのがついた
滑り易い岩は視界に入らない。
勢いで向かってしまう身の軽さが、
最大の武器?

 

銚子の愛宕山は標高73メートル。
眼下に広がる景色の270度は太平洋。
海に見えるのは漁船とタンカーとカモメ。
肉眼で十分なのに、双眼鏡がある。
ここは、この上ない
開放感に包まれるパワースポット、
その名も「地球の丸く見える丘展望館」。

 

観光地は天気が悪いと行き場所がない。
展望館の下にはアジサイが見事に咲く。
うっとおしい梅雨時に訪れても、
足元に咲く「もてなし」に心癒される。

 

「花を見てきれいだと思うのは、
同じキレイさを
自分にも備わっているからだ」

と老師に教わった。
目からうろこだったのを覚えている。
自分の目で自分を見ることはできない、
他人を見ることで己を知る。
見ている相手を解ったわけじゃなく、
自分が思っているだけだということを。

 

「気づき」のきっかけは
手の届くところにあり、
双眼鏡では見えないかもしれない。
気づきの種も皆に同じくあるだろう。
瞳はすべてを映している、
視えないのは心が観ていないから?
手の届く範囲を大事にしたい。
私自身の双眼鏡は現在故障中。

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