街を歩きながらしゃべりまくる /「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」ー 中村克子

 

前回の「わたしに会うまでの1600キロ」。

 

主人公の役をリース・ウィザースプーンが
演じていたのが意外だった。
どちらかというと、
コミカルで明るい役の
イメージがあったので。

 

大場 綾さんが言っていた、

“アメリカ映画では、登場人物が詩の一節を
引用するシーンが結構ある”

“アメリカでは詩がとても身近にある”

というのは同感だ。
日本では個人差があるけれど、
それほど詩が身近にあるとは
言えない気がする。

 

外国の映画を観て、
日本との習慣や文化などの違いを
見つけるのはおもしろい。

 

そういう視点で紹介するのが

「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」。

出演しているイーサン・ホークと
ジュリー・デルピーは
2人とも好きな俳優だ。

 

パリ行きの長距離列車で、
偶然出会ったアメリカ人の青年
ジェシーとフランス人の大学生セリーヌ。
2人は意気投合して、
ジェシーが降りる予定のウィーンで
セリーヌも途中下車し、
次の日の朝まで一緒に過ごすことになる。
これだけ聞くと、

何か劇的なことが起こるのでは !?

と想像がふくらむが、特に何も起こらない。

 

とにかく、2人はウィーンの街を
歩きながらしゃべる。
初めて会った男女が、
よくこれだけ話すことがあるなーと
感心するほど。

 

さらに内容が
プライベートな話から人生観、
哲学的なこと、社会問題まで幅広い。
セリーヌは環境問題に興味があるらしく、
ペラペラと話す。
多分、日本では社会問題まで
話をするカップルは少ないだろうし、
日本の恋愛映画で
こんな会話は出てこないと思う。

 

この映画を初めて観た時は
20代の頃だったと思うが、

なんて知的好奇心の高いカップル!

と、ときめいた記憶がある(笑)。
でも実際に、
ウィーンでこんな会話をしている
カップルがいるかはわからない…。

 

そういえば、
少しだけ詩が登場するシーンがある。
夜、川沿いを2人で歩いていると、
詩人だという青年に会う。
その青年は、お題をもらえれば
即興で詩を書くと言う。
セリーヌがミルクセーキという
お題を出し、
詩人はスラスラと書いて朗読する。
風変わりな詩人が印象的だ。

 

ところで、
この映画はシリーズになっている。
2人の9年後を描いた2作目
「ビフォア・サンセット」はパリを舞台に、
さらに9年後を描いた3作目
「ビフォア・ミッドナイト」は
ギリシアを舞台に、
相変わらず街を歩きながら、
しゃべりまくっている。

 

 

「青と夜ノ空」web

 


2020年09月27日 | Posted in 余談Lab, clue topics, 映画に学ぶ, 中村克子 | | No Comments » 

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